研究活動

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2016年度 グループ1ユニットB 第4回研究会

報告題目『THE BIJOU OF ASIA(亜細亜之宝珠)』研究会(第4回)
開催日時2016年9月26日(月)17:00~19:00
場所龍谷大学大宮学舎西黌小会議室
参加者13人

【議論の概要】

 今回は中西直樹,吉永進一『仏教国際ネットワークの源流―海外宣教会(1888~1893年)の光と影』(三人社,2015年)の第二章「仏教ネットワークの時代―明治20年代の伝道と交流―」(吉永進一著)の概要が穂波慶一氏によって紹介され,それに基づき議論が行われた。なお,参考資料として,明治23年11月12日発行の『普通教校人士』(『石峰』第14号,能海寛研究会発行,2009年に転載のもの)が配布され,本資料に関しても意見が交わされた。

 明治20年代における日本の仏教者と西洋の知識人との交流,あるいはアジアの仏教復興と欧米での仏教ブームについては,相互のズレと共通性とが確認された。神智学やスピリチュアリズムやスウェーデンボルグに影響された西洋の知識人は,キリスト教に失望し新しい宗教を求めるなか,合理性を備えた仏教に期待した。一方,日本の仏教者は,西洋での仏教評価の高まりを日本仏教の再興のために利用しようとし,その内容を深く考慮しなかった。ただし,禁酒運動や「通仏教」に向けた取り組みなどについては,両者に共通する部分があり,そうした風潮に影響された古河老川のような青年仏教徒が,やがて新しい仏教のあり方を示すようになっていった。

 今後の調査・研究の課題としては,1,『THE BIJOU OF ASIA』に対する欧米側の反応,2,チャールズ・フォンデス(日本名,重井鉄之介)の活動と後世への影響について,それぞれ検討を進める必要があることが確認された。1については,欧米で刊行された同時代の雑誌に,『THE BIJOU OF ASIA』に関する言及が散見されることから,ウェブ上などにある関連雑誌を収集し,その内容を分析していくこととなった。2については,来日した西洋仏教徒の先駆者であり,また欧米において具体的な仏教伝道を進めた最初の人物であるフォンデスについて,その足跡や人脈などいまだ十分に明らかにされていない歴史を検証していくこととなった。

以上

【文責】アジア仏教文化研究センター

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