研究活動

研究活動

2017年度 グループ2ユニットB 第1回国際シンポジウム

報告題目悪と自己意識(Evil and Self-Awareness)
開催日時2017年7月12日(水)~14日(金)
場所ミュンスター大学
参加者70人(12日),40人(13日),35人(14日)

■報告者・題目:

2017年7月12(水)

【公開講演】

18.15-19.45 Public Lectures ( Lecture Hall KTh 1, Johannisstr. 8-10)

Prof. Imtiyaz Yusuf (Mahidol University, Bangkok)

"Buddhism, Islam and Politics in South- and Southeast Asia".

Prof. Mouhanad Khorchide (Muenster University):

"Islam and Inter-Faith Relations."

2017年7月13(木)

【Research Meetings】

Session (1): Karmic Evil (悪業 akugō), Sin, Suffering, and Predestination

08.30 - 09.00: A Shin-Buddhist Perspective: Eisho Nasu

09.00 - 09.30: A Muslim Perspective: Imtiyaz Yusuf

09.30 - 10.00: A Christian Perspective: James Fredericks

10.30 - 11.15: Responses by Nasu, Yusuf, Fredericks (15 mins each)

11.15 - 11.30: Replies to Responses (5 mins each)

11.30 - 12.45: General discussion

Session (2): Practice (行 gyō), Prayer, and Transformation

14.30 - 15.00: A Shin-Buddhist Perspective: Dennis Hirota

15.00 - 15.30: A Muslim Perspective: Maria Dakake (via Skype)

15.30 - 16.00: A Christian Perspective: Perry Schmidt-Leukel

16.30 - 17.30: Responses by Hirota, Dakake, Schmidt-Leukel; Replies

18.45: General discussion

2017年7月14日(金)

Session (3): Repentance and Forgiveness, Aspiration and Hope

08.30 - 09.00: A Shin-Buddhist Perspective: David Matsumoto

09.00 - 09.30: A Muslim Perspective: Mouhanad Khorchide

09.30 - 10.00: A Christian Perspective: Peter Phan

10.30 - 11.30: Responses by Matsumoto, Khorchide, Phan; Replies

11.30 - 12.45: General discussion 13.00: Lunch

Session (4): The Nature of Human Existence

14.30 - 15.00: A Shin-Buddhist Perspective: Mitsuya Dake

15.00 - 15.30: A Muslim Perspective: Junya Shinohe

15.30 - 16.00: A Christian Perspective: Bernhard Nitsche

16.30 - 17.30: Responses by Dake, Shinohe, Nitsche; Replies

17.30 - 18.45: General discussion

18.45 - 19.25: Reflection on the conference, opened up by a statement by Leo Lefebure

■共催  :ミュンスター大学,ジョージタウン大学

【シンポジウムの概要】

 龍谷大学アジア仏教文化研究センター,ドイツのミュンスター大学,アメリカのジョージタウン大学の共催による国際シンポジウムが,「悪と自己意識(Evil and Self-Awareness)」というテーマで,ドイツのミュンスター大学で3日間にわたって開催された。

 初日の公開講演では,二人の宗教研究者が発表した。タイのマヒドール大学のImtiyaz Yusuf 教授は,「南アジアと東南アジア政治の中のイスラームと仏教」と題して講演した。近年世界的にも耳目が集まっている,タイにおける少数派のムスリムと多数派の仏教徒,そしてバングラデシュにおける多数派のムスリムと少数派の仏教徒との関係を,それぞれの政治状況を踏まえながら,現状と課題について明確にする講演であった。二人目の講演者は,ミュンスター大学のMouhanad Khorchide教授で,イスラーム神学の立場から宗教間対話をどのように理解することが出来るかについて話された。

 13日と14日は,2日間にわたってアジア仏教文化研究センターの嵩満也研究員,那須英勝研究員,デニス廣田研究フェローを含む12名の研究者が,「悪と自己意識」というテーマをめぐり発表をした。2日間にわたり,早朝から夕方まで発表・討論が行われ,会場にはミュンスター大学の研究者・学生だけでなく,ドイツ,イギリスからも研究者が出席するなど,現地で大きな関心を呼んだ。

 本研究センターの出席者の発表内容について簡単に紹介すると,13日の午前に発表をした那須英勝研究員は,"Karmic Evil, Sin, Suffering, and Predestination: A Shin-Buddhist Peerspective"というタイトルで,親鸞における悪業の理解を,歎異抄第13条に見られる宿業の問題などを取り上げて論じ,浄土真宗における悪と罪に対する視点の特質について明らかにした。13日の午前に発表したデニス廣田研究員は,"The World of Practice in Shinran"というタイトルで,法然から親鸞にいたる念仏行の展開を取り上げた上で,たとえば「ただ念仏のみぞまこと」という親鸞の理解に見られる自己意識のあり方について深く掘り下げた。14日の午後に発表をした嵩満也研究員は,"A Shin Buddhist Perspective to the Nature of Human Existence"というタイトルで,仏教における人間の悪業・煩悩に対する理解を取りあげた上で,親鸞の自己認識における悪の自覚と,阿弥陀仏の真実に出遇うことによる救済の自覚における矛盾的・動的な関係について論じた。

 キリスト教,イスラーム神学的の立場からも,同様に悪の問題,人間理解の問題についての発表があり,それぞれのセッションでは,発表者間の質疑応答が活発に行われた。相互の批判的な意見交換も行われるとともに,悪というテーマをめぐり各宗教の神学者のあいだで論点を共有できた,非常に生産的な2日間となった。

 なお,次回は2018年7月に,アメリカのジョージタウン大学でさらに継続して比較神学的対話を行うことが約束された。

【文責】アジア仏教文化研究センター

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