公募研究

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報仏常無常を巡る論争

仏の身体をどのように捉えるかは、その宗派・教学を性格付ける重要な問題である。本研究が主題とする「報身仏の常・無常 を巡る論争」は、中国・日本において繰り返し論じられてきた問題であるが、日本においては、この論争と因明とが結び付き興味深い 展開を見せることとなる。
従来、日本における因明の研究は、法相宗の学僧を中心に研鑽が深められてきたことが知られている。しかしながら、その一 方で、天台宗や三論宗といった法相宗と教学的に対立する立場にあった人々の因明理解については十分な注意が払われてこなかったよ うに思われる。本研究では、「報身仏の常・無常を巡る論争」に関する典籍として、法相宗徳一の『中辺義鏡』、天台宗伝教大師最澄 の『守護国界章』、三論宗玄叡の『大乗三論大義鈔』、元興寺護命の『大乗法相研神章』等を検討し、この論争における各師の見解を 精査することで、「報身仏の常・無常を巡る論争」が因明の論法の中で論じられたことを確認し、さらに天台宗・三論宗の人師が因明 そのものに対してどのような理解を有していたのかを明らかにしたい。

吉田慈順(龍谷大学非常勤講師)

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