研究活動

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2018年度 グループ1ユニットA 第2回学術講演会

報告題目『教行信証』「化身土巻」について ―坂東本を通して―
開催日時2018年7月23日(月)16:45~18:15
場所龍谷大学大宮学舎西黌2階大会議室
報告者三木彰円(大谷大学短期大学部教授)
参加者23人

■司会:杉岡孝紀(龍谷大学農学部教授)

■主催:龍谷大学世界仏教文化研究センター アジア仏教文化研究センター

【報告の概要】
 真宗大谷派の親鸞聖人750回大遠忌の記念事業として、『教行信証』の坂東本の修復が行われた際、三木氏はそれにともなう調査や後の翻刻にも携わっている。そこで、この度は坂東本に関わる最新の研究成果に基づきながら、『教行信証』のなかの「化身土巻」について講演がなされた。
 そもそも、坂東本の基本性格としては、①58~62歳頃の筆跡を中心に最晩年期に至る筆跡がみられ、②本文(御自釈・要文)の推敲、訓点の修正など、思想営為の跡を確認することができる。これらのことより、当時の親鸞の教法思想の形成過程の一端を明らかにするものと考えることができる。このなかの「化身土巻」については、①他の巻に比べて本文の追加・削除が多く確認され、②本・末に分冊されるという特徴を挙げることができる。スクリーンに具体的な「化身土巻」の文処を投影しながら説明が進められ、袋綴じ状のページのなか、切り開かれた部分を取り上げ、当初のページの表・裏と、切り開きで現れた面を確認しつつ、本文の削除部分についても指摘した。
 また、三木氏は昭和版影印本解説所収の赤松俊秀氏の『教行信証の成立と改訂』を引用しながら、「化身土巻」の本・末分冊について論を進めていく。本巻においては、表紙の異筆・真筆をめぐる議論や、末尾の尾題が本・末に分けられる際に、親鸞自身によって切り取られた可能性があることを取り上げた。続いて、末巻においては、「教巻」「行巻」以外の各巻にあった表紙がなく、内題が表記される位置がかなり異例であると指摘されていることに着目している。このように、「化身土巻」の諸々の体裁を丁寧に読み解き、そこから見えてくる課題に対して解説がなされた。

【文責】アジア仏教文化研究センター

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