研究活動

研究活動

2018年度 グループ2ユニットA 第1回セミナー

報告題目僧侶たちから見る葬式仏教-宗教人類学と感情-
開催日時2018年8月1日(水)13:00~15:00
場所龍谷大学大宮学舎西黌2階大会議室
報告者マーク・ロウ(マクマスター大学准教授)
ファシリテーター野呂 靖(龍谷大学准教授)
コメンテーター猪瀬優理(龍谷大学准教授)
参加者32人

■主催:龍谷大学世界仏教文化研究センター アジア仏教文化研究センター

【報告の概要】
 マーク・ロウ氏は日本をフィールドとする宗教人類学の研究を継続し、特に寺院や僧侶を対象とするなかで仏教人類学の確立を試みている。このような研究はアジア各国で行われているが、日本ではまだ成果が少ないようである。
 現代の日本仏教を死者供養の観点から検討した著書Bonds of the Deadを2011年に刊行した後、現在は全国各地の僧侶へのインタビューを行い、各々の生き方や活動の意義を考察するプロジェクト「小僧伝」を進めている。
 このプロジェクトを通じて北海道の小樽から九州の福岡や大分まで、様々な寺院を訪問し、これまで230人ほどの僧侶にインタビューを行っている。このなかでも、島根の過疎地域の寺院を訪問した際には、地方の実態を知らずに今日の日本の仏教を語ることはできないと痛感したと言う。
 これまでの僧侶へのインタビューのなか、死や葬儀、そして、魂や霊的な現象等に関わる具体的な事例をいくつか紹介しながら、そこに見え隠れする在家者・出家者のありのままの感情や様子が語られた。宗派ごとに質問は微妙に変え、時には教義に対して少し挑発的な内容のものも加えつつ行われたインタビューを通し、それぞれの僧侶が仏教といかに向き合っているか、ということが見えてくるのである。
 宗派によって個性があることは好ましいことであるが、一方で宗派内だけに閉じこもってしまうことは好ましくないと考える。このような状況に陥らないためにも、複数の宗派の僧侶が集まって話し合う機会を設けるべきであり、このような取り組みがさらに普及すれば、日本の仏教の可能性は広がっていくのではないかと提言した。

【文責】アジア仏教文化研究センター

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